過去最多の9人が立候補した自民党総裁選を経て、新総理に石破茂さんが選ばれ、新しい内閣が発足した。その途端に石破さんのブレに批判が高まっている。しかし、党内野党と評されてきた立場(ゆえに国民人気は高かった)から、ど真ん中で最大与党を司り、国政運営の責任者に転じたわけだから、船出が多難なのは当たり前と考えた方がいい。期待を失望に変えるには早すぎる。これまでに経験してきた幾多の挫折が自らの強みと語っていたご本人は、厳しい道のりは覚悟の上だと察する。
ブレたと攻撃されている衆院の早期解散。自民党内の抵抗を抑制し、新政権を軌道に乗せるためには、できるだけ早く解散・総選挙を行い、国民の信任を得ることが必要だと現実的な判断に傾いたのではないか。
その意味で、公認問題から始まる来たる衆院選は、野党との闘いであると同時に、党内において本来の石破カラーを堅持していけるかどうか、最初の試練の場になる。
勝敗ラインをどこに設定し、審判の結果がどうなるかは分からないが、現状、何かと性急な「べき論」に陥りがちなメディアや政治評論家らの言に惑わされることなく、一主権者の態度として、少しの寛容さをもって新政権のスタートをしばらく見守りたいと考えている。
「国民を信頼する政治」を目指す。石破さんが度々使うフレーズだ。聞き慣れた「国民から信頼される政治」ではない。裏金や統一教会の問題を念頭に置けば、政治への信頼回復を訴えるのが政治家の常套句だろうから、最初は違和感があった。
ただ総裁選から何度も聞くうちに、国民を信頼する政治という言葉には、一政治家としての強い信念が込められている気がしてきた。どんな思いを表しているのか、これからの言動で示してもらいたい。


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