老後資金

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この連休中、天海祐希さん主演の映画「老後の資金がありません!」のレンタルDVDを見ました。天海さん演じる家庭の主婦は、老後用にこつこつとお金を貯めているのですが、一家に思わぬ出費が次々と生じます。焦りが募り、何とか老後資金を守ろうと奮闘します。笑いと涙ありのコメディータッチの映画ですが、問いかけているのは、幸せな老後とは、お金の使い方とは、何を大切に生きるのか、といった究極のテーマのようです。世間に老後不安が広がる中、この映画を見終えて少し前向きな気持ちになりました。

▼老後資金2000万円問題

何かと話題に上る「老後資金2000万円問題」は、「95歳まで生きる場合、夫婦で2000万円の蓄えが必要」と試算した金融庁の金融審議会の報告書が発端でした。3年前のことです。直後に行われた参院選の争点に急浮上した覚えがあります。

試算によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では、公的年金だけでは毎月5.5万円不足し、老後20~30年間で1320万~1980万円足りないということでした。

毎月の赤字額は、総務省の家計調査報告書(2017年)に基づき、高齢夫婦世帯の1カ月あたりの支出が食料費をはじめ26.4万円なのに対し、収入は公的年金を中心に20.9万円というのが根拠になっているようです。

65歳からの老後が20~30年の場合、不足額は次の通りです。

20年:5.5万円×12カ月×20年=1320万円
25年:5.5万円×12カ月×25年=1650万円
30年:5.5万円×12カ月×30年=1980万円

日本人の平均寿命は2020年、男性81・64歳、女性87・74歳でした。先日のブログ(「60歳は転換点」)で書きましたが、人生100年時代はまだまだ先のことで、男性は「人生80年後半時代」、女性は「人生90年前半時代」と考えるのが現実的だとすると、老後25年間の1650万円が目安としては妥当なような気がします。

▼年代別の視点

この試算で気になるのは、高齢になるに従い、60代の頃より生活費は少なくて済むはずで、そう考えると、試算には年代別の視点が適当だと思います。

消費支出に税金や社会保険料の非消費支出を加え、60代は月30万円必要でも、70代、80代と進むにつれて生活費は月25万円程度まで減っていくのではないでしょうか。

60代(65歳から)は30万円、70代は27万円、80代は25万円と見積もって不足額を試算してみました。公的年金収入は21万円としました。

65~70歳:(30万円-21万円)×12カ月×5年=540万円
70~80歳:(27万円-21万円)×12カ月×10年=720万円
80~90歳:(25万円-21万円)×12カ月×10年=480万

合計は1740万円になります。25年間、月5.5万円不足の算出結果より増えてしまいました。

その上で、医療費や介護費、車の買い替えなどの費用を想定しておくと、老後資金として2000万~2500万円を見込まないといけないでしょうか。

▼現実問題と認識

その前に、公的年金を受給する65歳までの5年間のつなぎをどうするかも、定年を迎えた身には大問題です。

長年、税金や社会保険料を払い続け、さらに2000万円もの貯蓄が65歳からの老後のために必要なのか⁉︎ 老後資金2000万円問題は、数字が一人歩きし、こんな焦りと反感を招いたところがあるでしょうが、金額的には全く的外れとは言えないと認識せざるを得ません。

老後は公的年金だけで生活できるのが理想だと思いますが、人口減少時代では望みようがありませんし、このままでは子どもたちの将来も今から不安になってしまいます。

▼本当の幸せとは

もちろん、あくまでモデルケースの試算であって、家計の事情や暮らし方はそれぞれ違うので、どう受け止め、備えるかは一人一人の考え方次第。それでも、多くの人が生活上の倹約を心掛け、頭と体を動かし、できるだけ長く健康な生活を送ることができるように努め、実践しているのだと思います。

現実に老後資金の問題をうっちゃっておくわけにはいきませんが、その一方で映画「老後の資金がありません!」は、世の中にはお金より大事なものがあると語りかけてくれます。あなたにとって本当の幸せとは何でしょうか。

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